ドイツ人に絶対してはいけないこと
寒くなったのでドイツ人妻のテンションが上がり気味な、どうもBodomchildです。
今、ニュースを賑わせている、国を侮辱する発言や態度。
ちょうど、日本のドイツに関連することが連日取り上げられていて、日本だけでなくドイツ人にとっても無視できない問題だと思いました。
今回は、それを軸にドイツ人に対して、絶対にしてはいけない事をご紹介します。
あくまで、私的意見です。“Mensch argere dich nicht”
世間を賑わす問題
もうすでにニュースで散々取り上げられているので出しますが、
韓国人アーティストの「原爆Tシャツ」と「ナチス衣装」の件です。
概要は以下。※報道されていますので概要/参考程度です。
2017年のワールドツアーの際に、BTSメンバーが、原爆のきのこ雲と万歳する韓国国民がデザインされたTシャツを着用していたことが問題視され、11月9日に「ミュージックステーション」へ出演予定だったが、見送られた。さらには、メンバーがナチスのかぎ十字(ハーケンクロイツ)をデザインしたナチス親衛隊の帽子を着用し雑誌に出ていたことや、メンバー全員がコンサートで黒い軍服風の衣装で、真っ赤な真ん中に黒い記号が書かれた旗を振るなどナチス風の演出をしていたことがさらに発覚し、波紋が拡大した。
この概要だけで、義務教育を受けてきた人間ならば、違和感を感じます。
この中には、原爆とナチスという、日本とドイツでの被害者軽視ととれる言葉が出てきます。
つまり、これらの事柄を軽視したことで、原爆被害にあった日本人と、ホロコーストを軽視し、その被害者であるユダヤ人への侮辱が成立していることになります。
正直、私と妻は、この韓国人アーティストの存在自体知らなかったのですが、
日本人である私と、ドイツ人である妻にとっては、気分のいいものではありません。
正直、ニュースで流れたり、深く知っていくほど明らかの侮辱の意味が感じ取れました。
理由は次で述べていきます。
日本人の私が気分を害する部分
問題となっているTシャツのプリントは、原爆のきのこ雲です。
私はおばあちゃんが広島の原爆のキノコ雲を実際に見た人間だったので、小さい頃から、その恐ろしさについて聞かされていました。
小さい時から広島を訪れた際には、原爆資料館を訪れ、それなりに知識を持っています。
現在の妻とも原爆資料館へは訪れたことがあります。
そして科学の知識があるので、原爆のメカニズムも基礎は理解しています。
戦争中とはいえ、その原子爆弾が一瞬で何十万人という命を奪いました。
そして、未だに後遺症に苦しんでいる人がいます。
なので、軽率な内容で取り扱うことは絶対にあってはならないと思っています。
今回の騒動が激化した背景には、
「原爆(キノコ雲)」の写真だけでなく日本の統治から解放されて万歳をする韓国人の写真があり、さらに「Liberation(解放)」と「Patriotism(愛国心)」という単語もプリントされているということがあります。
日本人的には軽視的に捉えるだけでなく、侮辱の意味合いも含んでいるということです。
極端な例かもしれませんが、
不慮の事故で無くなった人がいて、その親族に「ほら、事故当時の写真をTシャツにプリントしたんだ、見てよ!」と言われたら、どう思いますか?
私が親族だったら殺意が芽生えます。
ドイツ人妻が気分を害する理由
ドイツ人妻「なぜ韓国人がナチスに触れるのか?全く関係ない人間が適当なことをするな。冗談でも済まされない。」
妻の率直な意見はこうでした。
これも第二次世界大戦中の出来事であり、ナチスとその代表的な事件である「ホロコースト」は、国際社会の中で二度とあってはならないこととして、認識されています。
まともに教育を受けた人間、特にお欧米圏でユダヤ人が身近にいる環境の人間ならば、ナチスの話題に触れることすら躊躇します。
ドイツ人なら尚更です。
ハーケンクロイツが視界に入ることすら、存在することすら許されないのです。
後述の中で語りますが、ドイツ国内でナチスに関連することを発言/行動をすると、最悪、罪に問われます。
それくらいドイツ人にとっては重い話なのです。
ユダヤ人からすると、さらに重い話になるのは予想できます。
ドイツ人に絶対してはいけないこと
少々、軸に触れすぎましたが、以上を踏まえてドイツ人に対してやってはいけないことを紹介します。
ドイツ国内(それ以外でも同様だが)では絶対にやっていけないこととして、ナチスを連想させるもの/行為があります。
今もなお、ナチスを崇拝する人間をネオナチと呼び、ドイツ国内では御法度とされています。
《ナチス式敬礼》
このワードで検索をかけると出てきますが、日本の選手宣誓の手の角度が若干下がったような状態です。
ドイツ人が日本に来て、甲子園等のスポーツの大会を見た際に気分を害することがあります。
なぜなら、選手宣誓をしているからです。
この様子が、このナチス式敬礼に近いんです。
勿論、この選手宣誓にはまったくナチスとは関係がないのですが、日本の文化をよく知らないドイツ人からするとナチスを連想することがあります。
ドイツ国内では絶対やってはいけない行為です。
最悪、逮捕される可能性があります。
《ハーケンクロイツ》
日本語の「まんじ」の逆方向バージョンが、このハーケンクロイツです。
日本では、地図記号の「寺院」や流行語の「マジまんじ」という言葉で有名ですよね。
これも日本文化を知らないドイツ人がみるとほぼ確実に勘違いします。
2020年のオリンピックに向けて、日本の地図記号でもアウトではないかと議論されており、2020年の東京オリンピック開催までの改訂するという議論までなされています。
これも、ドイツ国内では絶対に掲揚してはいけないモノです。
最悪、逮捕される可能性があります。
《88という数字》
日本人からすると、「ん?なんか関係あるの?」という疑問になるかもしれません。
この「88」は、ヒトラーを表します。
アルファベットの8番目は、「H」です。
つまり、“88=HH”となり、ハイル・ヒトラーのイニシャルになります。
これもナチスを連想させるものとして、ドイツ国内では表記の禁止になっています。
昔に、外国製製品でこの表記があり、発売禁止にあった逸話があるそうです。
《ヒトラーのちょび髭》
これも敬礼に似た部分がありますが、もうこれは言わずもがな、ヒトラー本人を連想させるので、ドイツ国内では、ご法度です。
逮捕されるまでは行かないまでも、やるべきではないとされているそうです。
過去の事例:SLAYER の”Angel of Death”という曲
少し話は逸れますが、ナチス関連では昔から様々な騒動がありました。
私の大好きなメタル関連でいうと、SLAYERの”Angel of Death”でしょう。
SLAYERというアメリカのスラッシュメタルバンドがいるのですが、その3枚目のアルバム”Reign in Blood”のオープニングトラックがこの”Angel of Death”です。
このスレイヤー、過激な音楽性で人気なのですが、この曲に関しては、題材がヤバすぎた。
これは、ナチスの狂気医師、ヨーゼフ・メンゲレ(通称:Angel of Death)に関する曲でした。
当然、ドイツは勿論、様々な国で物議を醸し、レコード会社で相次ぐ発売禁止(別のレコード会社で販売する等の処置もあった)、リリーススケジュールに載らないなど、制約を受けました。
特に作詞作曲した、故ジェフ・ハンネマンには避難が集中し、ネオナチ認定されたり、被害者から夥しい数の抗議を受けました。
差別や侮辱を意識して作ったわけではなく、こういうヤバイやつがいるという衝撃からとのこと。
ただ、この”Reign in Blood”というアルバムは、今もなお売れ続けているSLAYERのアルバムとなっています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
相手を侮辱する行為というのは、国によって認識の違いはあれど、一つ間違えれば国際問題にまで発展します。
特に、戦争をテーマにすると、そこには多くの犠牲者がいるわけで、「自分の思いは違う」といっても捉え方は人によって様々です。
人種が違う場合、そこが一番難しいことではありますが、悲しんでいる人がいる以上は真摯に受け止めて謝罪の意を示すのが人としての筋と思います。
誰でも過ちを犯すことはあるので、100%防ぐことは難しいかもしれませんが、過ちを認めて「ごめんなさい」と意思表示することはそんなに難しいことではないと思います。
国際結婚カップルとして、特に日本/ドイツのカップルとして、今回の件は色々考えさせられることだと感じました。
最後までご拝読ありがとうございました。
ほな
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